中国古典文化の密林
『菜根譚』は明朝末期に思想家の洪応明が著したとされる、人としての生き方や処世法に関する格言集。『論語』に代表される、師匠の言葉を弟子が書き留めたような「語録体」で記述されており、格言の数は前編225、後編135の計360に及ぶ。 その内容は…
「夢渓筆談」は北宋の政治家で科学者の沈括(1031-1095)が1090年前後に発表されたとする筆記小説類の書。「筆談」26巻、「補筆談」3巻、「続筆談」1巻の計30巻からなる。 本書には天文、暦法、気象、地理、物理、化学、生物、農業、水利…
『飲膳正要』は中国最古の養生に関する書籍。元代の西暦1320年に、モンゴル族の栄養学者・忽思慧によって著された。 忽思慧は長きにわたって宮廷の飲食管理や療養に関する職務に従事。自身が宮廷内で実践した経験を整理するとともに、先人の本草や「食療」(…
本草綱目は明代の医学者、李時珍が1590年に著した薬学の専門書。作者の李時珍は従来の薬学に関する研究成果に自身の実践の成果を加え、約30年の時間をかけて完成させた。全52巻からなり、計1892種類の薬物、11096種類の処方について1000点を超える挿絵を交え…
「傷寒雑病論」は後漢から三国時代の医学者、張仲景が著したとされる、中国古代の医学書。後漢末期の混乱期に流行した傷寒という伝染病の治療のための処方について記述した部分と、その他慢性病や婦人病などについて書かれた雑病部分からなっていたが、別々…
「閲微草堂筆記」は清朝中期、「四庫全書」の総纂官だった紀昀(きいん)が1789年から1798年にかけて発表した5つの志怪小説集を1800年に合刊したもので全24巻からなる。 同書は、化け物が登場する怪談や、周囲の人々から聞いた奇譚のほか、上層社会の話や役…
清末~民国期の文学者、王国維(1877-1927)が著した、中国の戯曲発展研究書で、民国初年に発表された。全16章からなる。戯曲の発展を古代から五代十国時代までの萌芽期、宋・金の形成期、元の成熟期としてそれぞれ紹介しており、特に宋、元王朝におけるの戯…
文心雕竜は、六朝時代の文学家、劉勰(りゅうきょう)が表した文学理論書で、西暦501年ごろに成立した。全10巻、上下各25編の計50編からなり、中国の文学批評史上初めての、厳密に体系化された理論書と言われている。 上編は「原道」など全体の綱領…
『東京夢華録』は宋代の孟元老が記した散文で全10巻からなる。12世紀初頭、北宋の都・東京の様子を描いたもので、宮城の配置や城下町のさまざま店舗、祭りや祝日、衣食や歌、踊り、劇など内容は多岐にわたり、当時の王侯貴族や庶民の日常生活を知ること…
『法苑珠林』は唐の総章元(668)年に道世が完成させたとされる仏教書籍。「融通無碍な仏法の珠玉の一切を集めた」というタイトルの通り、全100巻にわたって仏教の教義などに関する解説がなされている。 『法苑珠林』では仏教の基本理念について、時空観や宇…
『聊斎志異』は1680年に完成した清代の短編文言小説集で、作者は蒲松齢(1640-1715)。「聊斎」は蒲松齢の書斎名であり、書名は「聊斎で奇異物語を記す」の意。巷に流れていた口伝の物語を書き記したものとされており、全部で400編以上の物語が存在する。そ…
『石頭記』は中国四大名著の1つと呼ばれる『紅楼夢』の別名。作者の曹雪芹(1715~1763)はもともと『石頭記』として執筆していたが、未完のまま死去。その後写本が盛んに行なわれるうちに、『紅楼夢』というタイトルがつけられるようになった。章回体の形…
南北朝時代(5世紀中期~6世紀末)の南朝・梁の昭明太子が、春秋戦国時代から当時に至るまでの文学作品800点あまりを選んで編纂した詩文集。屈原からはじまり、漢の武帝、司馬遷、曹操・曹丕・曹植、諸葛亮、陶淵明など著名人の作品が多数収録されており、文…
『資治通鑑』は北宋の1084年に成立した編年体の歴史書である。編者は司馬光で、19年の歳月をかけて完成させたと言われている。周王朝統治の紀元前403年から、北宋が成立する直前、五代後周王朝統治の紀元959年まで、実に1363年間、16の王朝にわたる歴史がカ…
清代の作家・呉敬梓(ごけいし、1701~1754)が書いた白話文による長編小説で、1750年ごろに完成。科挙制度の下で試験に合格して出世を目指す書生たちの生活を描いた。 時代設定は明代となっているが、実際は本人の実体験に基づいて書かれたものと言われてお…
明代末期の1616年に臧懋循(ぞうぼうじゅん)によって編纂された、元代の演劇である「元曲」の脚本集で、100篇の元曲が掲載されている。収録されている脚本の多さ、読みやすさに加え、台詞やト書きも整っていることから元曲研究のテキストとして広く用いられ…
『佩文韻府』(はいぶんいんぷ)は清代に編纂された、詩作で韻を踏むために用いられた辞典である。康煕帝の勅令により張玉書らによって編纂され、18世紀初期に完成した。2文字~4文字の語句を、その末尾に使われている文字の韻母で分類して並べたものであ…
19世紀末に甘粛省敦煌市の莫高窟で偶然発見された古代文献群を指す。発見者は王円籙(おうえんろく)という道士で、中国古典文化の歴史的大発見と言われている。発見された古代文献は数万点に及び、主に4~11世紀ごろの写本がメインとなっている。文献…
明代末期に編纂された5つの短編小説の総称。 「三言」は『喩世明言』(『古今小説』とも呼ばれる)『警世通言』『醒世恒言』を、「二拍」は『初刻拍案驚奇』『二刻拍案驚奇』を指す。いずれも白話文体で書かれており、宋代の説話(市井で行われた講談のような…
魯迅(1881-1936)が、散佚していた秦代以前から隋代までの古い小説36篇を集め校訂したもの。 1912年に編纂を終えたが資金不足のため出版できず、正式に出版されたのは魯迅没後の1938年であった。 魯迅が1924年に著した、中国初の小説史といわれる『中国小説史…
中国最古の医学書とされ、成立は戦国~前漢期と推定されるが原著は散逸。 現在では唐代の王冰が編纂し、宋代に校正出版された『素問』および宋代に発見、刊行された『霊枢』がベースとして伝わっている。伝説上の帝王である黄帝が岐伯ら六名の学者と行った問…
中国最古の地理書と言われる。作者は不詳。戦国時代(紀元前5~3世紀)にベースとなるものが作られ、秦・漢(紀元前3~紀元3世紀)の時代にかけて内容が付け加えられていった。 「五蔵山経」「海外四経」「海内四経」「大荒海内経」に大別され、全18巻か…
南宋の儒学者である朱熹(しゅき・1130~1200)と、その弟子との問答集。 朱熹没後の1270年に黎靖徳によって編纂された。全140巻。 朱熹は孔子を祖とする儒教思想の集大成とも言える朱子学を興した人物であり、その思想は、日本の徳川幕府時代に「読み書きそろ…
戦国時代末期、楚の国で盛んに行われた詩歌の形式。 北方の詩経に対して南方の楚辞と言われるが、楚辞には悲憤に満ちた感情が強く表れている。 前漢末に劉向が『楚辞』として書物にまとめたが散逸。後漢の王逸による『楚辞章句』が現存する最古のものとされ…
四書五経の一つで、世界最古の詩集といわれている。その起源は西周の時代までさかのぼり、当時歌われていた民謡や宮廷の音楽などを集めたものである。膨大な作品から孔子が300余編にまとめたという話が『史記』の「孔子世家」に記されているが真偽は不明。 …
六朝宋(429~470)の劉義慶によって編纂された、後漢(25~220)~東晋(317~420)の著名人にまつわる逸話集である。「志人小説」(人物の言行を記した書) の代表的作品といわれており、全篇は、「孔門四科」と呼ばれる「徳行」「言語」「政事」「文学」から始まる…
まず、大好評「中国古典文学の密林」をこちらに引っ越しさせます。 他の連載も続々載せますので、どうぞお楽しみになさってください。