『蓮花楼』(日本語版)を読んでみた

こんにちは。

 

最近Kindleづいていて、いろいろ読んでいます。そういう中で、中国語からの翻訳ものというと『蓮花楼』であります。

 

これは、而立会の会報(非公開)で知った本なのですが、武侠ファンタジー・ミステリみたいな本です。

 

謎の主人公が小さな謎を見事に解く話の連続、その裏に、主人公自身にまつわる大きな謎があり、読者はそれを解いていく、というような構造です。けっこう新味があるのではないかと思いました。

 

 

牛車

ところで、誰もが突っ込みたくなることが一つあります。主人公が移動式のおうちに住んでいるという点です。方丈記か。いやいや、あれは鴨長明が自分一人で運んでたんだそうです。そんなのではなく、立派で広いお屋敷です。

 

牛二頭を買って曳かせるとか、牛一頭のときはロバなど、なんでもいいから三頭立てで曳かせるとか書いてあるのですが、リアリティないですね。

 

この作品は実写ドラマにもなっているのですが、そちらをちらりと見たら、牛が七八頭並んでいるのが写っていました。

 

それならぎりぎりいけるのかもしれません。ただ、今度は歩く道がないですよね。いくら中国が広いといっても、狭い道も多いと思いますよ。

 

まぁ、超人的な武功をもつ人が山ほど出てくる世界なのですから、牛も超強力牛なんでしょうし、N次元をワープしているのかもしれませんね。

 

 

最初に読んだ中国語の本は?


最初に読んだ中国語の本(除教科書)は何だったでしょう。

あのね、昔は中国語で書かれた本を入手するのが難しかったんですよ(遠い目)。

 

新宿の紀伊國屋とか、神保町の内山書店と東方書店とか、たまに横浜中華街へ行ったときお土産屋さんでとか、買える場所が限られていたんですね。そういうところで買った本のうち、今も思い出すのは、賈平凹の《廃都》(1993年)です。中国ではすぐ発禁になったらしいのですが、それで売れなくなった本が日本に来ていたのかもしれませんね。

 

内容で印象に残っているところは、西安らしき街(農村ではない)に住んでいる若い女性が、生理が始まっても全然構わずに、ズボンに染み染みで歩いている場面。

 

あと、農村から牛を曳いて牛乳を売りに来る人があり、みんな家から容器を持ってきて、そこに絞ってもらうというところ。

 

でも主人公は変わり者だから、自分が道に大の字になって、牛の乳を直接吸うことを習慣にしているんですね。たんに乳が好きな人なのかもしれないけど。

 

なんだか、異世界ものみたいな感覚で読める作品でした。

 

以上は全て前世紀の記憶によって書いていますので、もしかしたら、全然そんな作品ではないかもしれません。先におわびしておきますね!

最初に観る中国ドラマは?

 

最初に観る日本ドラマ?

みなさまこんにちは。

昔、アメリカ人の同僚がいたのですが、彼は日本語習得のために日本のドラマを視聴してました。

 

それが、『水戸黄門』だったのです。

「きいてきいて、これ」

といって、「越後のちぢみ問屋でございます」とか、暗記してきたセリフを言ってくれるのが楽しくて、とても印象に残っています。

 

こちらも、

「ミスターG、『ちぢみ』じゃなくて『ちりめん問屋』ですよ」

なんて、教えたりしてね。

 

 

ではみなさま、日本人が中国語を習得しようというので、最初に観るべき中国ドラマは何でしょうか。

 

私の個人的な考えでは、最後まで観通せるように、自分の好きな俳優さんが出ているとか、ストーリーがすごく興味深いとか、そういうドラマがいいなと思います。

 

 

また話がそれますが、先週末、大学時代の友人と久しぶりに集まりました。みんな真面目だから、それぞれに何かを学んでいます。

 

それで、ある後輩が、

「語学全然やってないけど、『後宮の諍い女』、みた」

というんですね。

 

「最後まできっちり観ちゃった。きれいな女の人がいっぱい出てきて、すごくドロドロ」

全くその通りですね。

 

それで私は、

「では次は、『琅琊榜』を観てほしいな」

と言いました。

「イケメンの男の人がいっぱい出てきて、すごくドロドロ」

 

時代劇を観て中国語を覚えようとする場合、ミスターGみたいに「越後のちぢみ問屋」となってしまって、応用可能性ゼロになってしまう可能性もあるんですが、それでも、自分の好きなドラマを観るのがいいなというのが私の意見です。だって人生は短く、中国ドラマは長いから。『琅琊榜』には続編もありますからね。

 

みなさまのお考えも、よかったらコメント書き込んでくださいね。

 

メール学習会のこと

寒さが続くこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

肉まんがおいしい季節ですね、ということで、イラストを貼っておきます。

肉まんを食べる女の子のイラスト

肉まんうまい

さて、

而立会の活動の中で、最も長く続いているのが「メール学習会」です。

 

毎月課題が出て、メールで回ってきます。会員の希望者はそれを訳してメールで提出すると、出題者の三潴先生に見てもらうことができます。

それで、「メール学習会」というんですね。

 

20年前は、このようにメールだけで完結する学び方はかなり先進的な感じでした。

 

現在では、メールだけでなく、而立会の会員用サイトにも、課題文・全員の訳文・講評を貼り付けていますので、忙しくて学習会に参加していない人も、任意のときに開いて勉強することができます。

 

この活動を20年前から始めて、なんと、今月の出題で222回となりました。

 

最初の頃は、2週間に一回出題されていたので、ついていくのが大変でした。あの頃は、予定表に「レベル」の提出日とメール学習会の提出日を書き込んで、忘れないようにしていたものです。

 

20年前は4~5人だった参加者ですが、前回221回は、30名を超える会員が参加しました。而立会の柱の一つといっていいでしょう。

道教と忍者17―カエルの神様「青蛙神」① 中島 慧

 中国でカエルの神様といえばやっぱり「青蛙神(せいあじん)」。今でも幸運をもたらす神様としてこのカエルの置物が売られていたりします。前回、日本と中国でヒキガエルのイメージが違う例として挙げましたが、そもそもこの青蛙神とはどんなものなのか?

 

傘をさした、蛙神?



 現在知られる青蛙神の姿は、主に、①地域限定の蝦蟇の神、その派生である金華将軍、②月の嫦娥が変化した蝦蟇の神、③仙人、劉海蟾が連れている金蟾・三足蟾という蝦蟇の神、この3パターンが合流したものですが、もともと青蛙神といえば①で、特別なヒキガエルという共通点からイメージが混同された結果、②や③も青蛙神とも言われるようになったと思われます。

 ①の青蛙神は主に漢江から長江、杭州といった、限られた地域で信仰されていた神様の一つで天災を予知、縁起のいい福の神、金運をもたらす神で別名金華将軍とされています。水に特に関心を示す地域でカエルの神様が生まれるのは分かりますが、金華将軍って何って思いませんか?


 この金華将軍、『茶與客話』巻四に「金華」は「青蛙」が訛ったものだろう、という説があります。例えば、鈴木陽一は北方方言を基礎とする現代漢語の共通語の発音では、金華は〈jinhua〉、「青蛙」は〈qingwa〉と大きく異なるが、杭州方言では〈-in〉と〈-ing〉の区別がほとんどないこと、また〈hua〉の〈h〉音が脱落してしまうため、この二つの語彙は、声調も含めて極めて近似した音と考えてよい。
 このように述べています。つまり、元々は青蛙神と金華将軍は別物です。そして『西湖遊覽志』からそもそも金華将軍は誰なのかということについても、五代十国時代の後唐で湖の水を市内に引き込み水運の便を図った曹杲という人物が水の神にされた、そして知名度が低すぎて蛙に置き替えられた、とあります。本来の金華将軍はただの人間なのでした。


 金華将軍はカエルに吞み込まれてしまいましたが、青蛙神は金華将軍に派生したことで人の姿を獲得したと言えるでしょうか?

 


主な参考文献
『『白蛇傳』の解読補遺(1)』「人文研究 = Studies in humanities」鈴木 陽一、神奈川大学人文
学会 編 (190), 95,97-115, 2016

秋の大会報告

2025年11月、秋の大会が開催されました。

而立会では、春は総会と大会、秋は大会のみ開催しています。下の写真は大会準備の様子。大体午前10時ごろです。

法人化15周年記念冊子『群菫2』とおやつ用お菓子

 

ここ二年ほど、記念誌ということで、『群菫』という名の同人誌を出しています。この日、第2巻を会場参加の会員に配布しました。会場は、公民館を使用しています。

 

おやつの時間が待ち遠しいですが、それはまだまだ後の話。

まず、名誉会長の三潴正道による歓迎の言葉に続いて、新入会員の入会式を行いました。引き続いて、新たな当会認定翻訳士と認定上級翻訳士の認定式も行いました。

 

Zoom参加の会員には、このように画面に登場してもらい、画面と向き合って式を進行します。

入会式・認定式の様子

その後、既存会員の自己紹介や連絡事項で午前中はつつがなく終わりました。

 

連絡事項で特筆すべきことは、このブログでもご紹介しました、而立会およびレベル講座のイメージキャラクタ発表でした。今後、本会の活動においてのみ、これらのキャラクタを使用していくことが確認されました。

 

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午後は、みんなが楽しみにしていた、会員による座談会や発表です。

 

1時から行われた、「レベル40突破者にきく、中国語をどのように勉強しているか」という座談会では、やはり調べる効率がポイントとして挙げられました。

 

中国語専用の入力ソフト、ChineseWriterが、調べる上でも有用だという声がかなりきかれました。

 

Googleなどで中国語を入力できるようになって久しく、筆者自身も、もうChineseWriterは要らないのかなと思っていたのですが、実際はさにあらず。同梱の辞書から百度などのページにも飛ぶことができるので、調べものの効率が非常にアップするということでした。

 

筆者は大会の数日後、最新のChineseWriterを注文しました。筆者はあまり勉強をしないのですが、これを使用してPowerPointのスライドを作ってみましたら、今までの苦労はなんだったのかと思うぐらい、すいすいと作れてしまいました。

 

座談会の後、ちょっと一息入れてティータイムとしました。長崎在住のM会員は、いつも長崎のお菓子を大量に買ってきてくれます。ありがとう! 散財をかけて申し訳ないと胸を痛めながらも、テンションは大幅アップします。

 

その後、当会の会員でありつつ自立した翻訳者でもある先輩会員数名による、「AIと翻訳」というテーマでの研究・実践の発表がありました。

オンライン発表を聴く名誉会長

語り合う会員たち

AIをどのように使って、どのような専門的事項を調べているか。AIにだまされそうになるのはどんなときか。各先輩の実践の分野ごとに違いつつ、共通点もたくさんありました。

 

トリは、会員番号4番、而立会最長不倒期間を誇るY会員の、そもそもAIはどのように翻訳を行っているのかに関する研究発表でした。

 

私たちは、ふとAIを擬人化して、誰か人に質問しているような気持ちになってしまいます。しかしAIは、私たちが翻訳をするときに脳内で行っていることとは全く異なるシステムで動いています。

 

自分はAIを擬人化しがちだ(自分が人間だから当然そうなります)ということを肝に銘じて、AIを冷静に見据え、使用していくべきだということを、深く納得しました。

 

午後4時半閉会、快い知的興奮を胸に、それぞれの帰途につきました。

友よ、また会いましょう。多分次は新年会ですね!